2020年5月28日木曜日

カナダのアカスタ片麻岩

Acasta River,Northwest Territories,Canada


一見なんの変哲も無いこの石。

しかし地球の歴史のなかでも、かなりターニングポイントになるため、興味を惹かないわけがありません笑

地味でも大切な石の1つです。



分類は、

「岩石」の「変成岩」の「片麻岩」の「花崗片麻岩」

というものになります。

(mindatより)



横幅約3cmで、クリスタルワールドさんでの購入品です。


岩とはいうものの、この標本の中だけでも表情がとても豊かなもので


この面の他に



黒みが強い面や、



ジューシーなクリーム色が出てる面など、とてもバラエティに富んでいるアカスタ片麻岩です。


おそらくではあるのですが、



この氷の粒みたいな透明のものが石英で、



黒っぽいのが黒雲母で、



表面を石英らしきものが覆ってますが、クリーム色のものが長石ではないかと「個人的」に思ってます笑


アカスタ片麻岩はとても古い岩石として知られていますが、鉱物について知っていくためにはとても興味深いポイントですよね!

鉱物はどのようにしてできたのでしょうか。

それを知るために、地球の起源までさかのぼってみたいと思います。



約45億年前、太陽のまわりには小さな惑星がたくさん存在していました。

この小さな惑星は「微惑星」と呼ばれています。

微惑星が衝突して集積することで地球が誕生しました。

地球の内部は、中心に「核」があり、中間には「マントル」、外側には「地殻」があります。

数億年という長い時をかけ、この3つの層からなる基本構造ができあがりました。

核は内核と外核に分かれていて、内核は個体、外核は液体、主に鉄やニッケルでできています。



マントルは地球の約8割を占めていて、上部と下部の2つの層に分かれています。

上部はかんらん石、下部はマグネシウムや鉄の酸化物などでできています。



私達が立っている大地である地殻は、平均で約40kmくらいの厚さがあります。

この地殻を構成している岩石は「火成岩」「堆積岩」「変成岩」の3つに分類されます。


火成岩はマグマが冷えて固まったもの。

堆積岩は岩石が風化や侵食をされて細かくなり、水や風に運ばれ堆積して固まったもの。

変成岩は岩石が高温や高圧によって鉱物組成、組織が変化してできたもの。



実は岩石は一度できあがって終わりではありません。

長い時間をかけながら、地表と地下を循環しているのです。

たとえば、地表にある火山岩が風化、侵食で粒になり、川や海に運ばれて堆積岩になったり、今度はこの堆積岩が高温、高圧を受けて変成岩になったり、また地下深く埋没してマグマに溶けると、そのマグマが地表に噴出して火成岩になったりします。

火成岩、堆積岩、変成岩は色々なパターンのサイクルで循環し、ゆっくりではありますが、常にその姿形を変えているのです。



今回ご紹介しているアカスタ片麻岩は、変成岩に分類されます。

岩石が高温や高圧の影響を受けて組成や組織が変化する作用のことを「変成作用」といいますが、アカスタ片麻岩は花崗岩が高圧によって変成されたものです。

「アカスタ」とはカナダの北西部、「アカスタ地方」のアカスタです。

アカスタ片麻岩は約39億6200万年前のものであると測定されていて、地球では最も古い岩石と言われています。



前回の化石(モロッコの三葉虫化石(Calymene))では生命の起源までさかのぼりましたが、今回は地球の起源にまでさかのぼってみました。

悠久の時を生きる地球、それを構成する岩石と、大地に生きる多種多様な命。

壮大なスケールを感じますね。


お読みいただきありがとうございました。

2020年5月24日日曜日

モロッコの三葉虫化石(Calymene)

Draa Valley,Morocco
古生代オルドビス紀


立て続けに化石の記事を書くというのは、今までの自分からすると、少し珍しいかもしれません。

何しろ鉱物の方ばかり見ているので笑

しかし今回続けて化石のことに触れたのは、流れがある程度つながっているからです。



生物学的に分類すると、

動物界 節足動物門 三葉虫綱 ファコプス目 カリメネ科 カリメネ属

と、おそらくなるのですが、このあとにくる「種」が何かは、記載されていませんでした。

化石に関しては、そこまで詳しくないので特定する力はありませんが笑

ちなみに学名というのは、この「界門綱目科属種」の属と種を記載するものになります。

三葉虫の化石になっている部分は甲羅(背板)で、本体の部分の情報がほとんど欠如しているため、分類もなかなか苦戦を強いられたようです。


表から見るとそうでもないですが、



裏から見ると、ばっちり分断されていて



ラベルに書かれた通り修正したあとが確認できます。


モロッコは、アンモナイトや三葉虫の化石の名産地で、これはジオードの内部にいたものかなと思います。

完全に見た目が岩石というか、色も岩っぽいので「化石」より「石化三葉虫」と呼びたい気もします笑

まあ意味自体は大差ないとは思いますが。




原始の地球で誕生した単細胞の微生物「シアノバクテリア」は、「突然変異から進化したものと思われている」というお話を「ボリビアのストロマトライト」の所でしましたが、

ここで、もう一つの突然変異が起きて、単細胞バクテリアは呼吸をするようになり、大気の中で生きられるようになりました。

海の中では、海水に溶けた酸素を取り込んで、大量に増殖していきました。

中には、自分より大きな単細胞バクテリアの体内に入り込み、その廃棄物を食べるものもでてきました。

体内に入り込まれた、大きい方の単細胞バクテリアは、「体内のバクテリアの呼吸で生じたエネルギーを活用する」という形で、相互利益の関係を築いていました。



しかし、やがてバクテリアはもっと簡単にエネルギーを得ることができる方法に気づきます。

それは、「他のバクテリアを丸ごと飲み込んでしまう」ということです。

これが地上における「食うもの」と「食われるもの」の始まりです。

バクテリアは、「いかにして食べるか」「いかにして食べられないか」という戦いの中で、急速に進化していきます。

バクテリアがこの戦いを勝ち抜き、生き残るための最良の方法は、やはり「個」ではなく「団体」となることです。

こうして単細胞生物は結合し、地球最初の多細胞生物が誕生しました。



いずれ、そのいくつかは植物となり、また別のいくつかは動物になっていきますが、この時点での生命体は、単細胞生物と多細胞生物の2 種類のまま、約10億年の時が流れます。

細胞は自分のコピーを作って数を増やしていましたが、やがて「オス」と「メス」という2つの個体が、それぞれの遺伝子を半分ずつ提供して、新たな生命を創り出すようになります。

これにより、生物は多様に複雑に進化して行きます。



1946年、兵役に就いていたレッグスプリッグは、オーストラリア南部のエディアカラ丘陵で、ウラン鉱山の開発に携わっていました。

原子爆弾の原料にするための、ウランを含む岩を探していました。

その時、ある岩をひっくり返すと、そこにはとても奇妙な生物の痕跡が刻まれていました。

そこは最古の多細胞生物の化石群だったのです。
「エディアカラ動物群」と名付けられました。

この発見により、最初は小さなバクテリアだった生物が、その後6億年前までに、様々な生物に進化していたことが分かりました。

この時代は「エディアカラ紀」と名付けられました。

そしてその直後に起きたのが「カンブリア紀」です。



1909年のある日、チャールズ・ドゥーリトル・ウォルコットは、ラバに乗って進んでいたカナディアン・ロッキーの山中で、偶然化石を発見します。

そこは豊かな化石群で「バージェス頁岩動物群」と名付けられました。

そこで見つかった生物の化石は


「アノマロカリス」



「ハルキゲニア」



「オパビニア」



など、とても奇妙な生物たちでしたが、なかでも多かったのが「三葉虫」です。

ダンゴムシに似た節足動物である三葉虫は、世界中で見つかっています。

物を見ることのできた最初の生物だと考えられていて、何百個ものレンズからなる「複眼」があります。


さて、この「世界初の目」からみた地球はどのようなものだったのでしょうか。

三葉虫の目には、世界はどのように映っていたのでしょうか。

果てなきロマンは尽きませんね。


お読みいただきありがとうございました。

2020年5月13日水曜日

ボリビアのストロマトライト

ボリビア


今回は化石の部類に入る少し地味な石。

特に化石は、背景にある歴史を知ると、その石の価値がわかり、とてもありがたみを感じますよね。

ということで、少しこの石の歴史について見ていきたいと思います。



分類としては、


「岩」の「堆積岩と堆積物」の「堆積岩」の「マイクロビアライト」の「ストロマトライト」

(mindatより)


と、ここまでくどくどしくする必要はないですが、言うとすればこんな感じですね笑


冒頭に「化石」と書きましたが、これは「シアノバクテリア」が堆積したものになります。



この画像の、赤い線で囲った部分に、縞模様がありますが、堆積しているものの特徴の一つですね。


この標本は、感覚的なことを言うと、「エッジが効いてる感じ」がお気に入りです!


無骨な形に渋いマーブル模様が、すっごく相性が良いと思うんです!


標本のカッコよさが分かったところで、次は太古の昔へとさかのぼり、生命の起源に、どのように「シアノバクテリア」と「ストロマトライト」が登場したのか、見ていきましょう。

ここを知ると知らないとでは、ありがたみに差がでますからね。



いまだに解明されていない謎の1つ
「生命はいかにして誕生したのか」

生命は、神なる創造主によって創られたと信じる人々もいます。
生命体は、地球外からやってきたのだと考える人々もいます。

フランスの科学者ルイ・パスツールが、自身の実験の結果からたどりついた結論は
「生命体を含まない物質が、自ら生命を宿すことはない」というものでした。



しかし、これに異論を唱えたのは、ノーベル賞受賞者である、ハロルド・ユーリー教授とその教え子、スタンリー・ミラーでした。

2人は実験により、生命のないところに、アミノ酸を生じさせることに成功。

アミノ酸は、生命に欠かせない成分で、あらゆる植物、動物、人間の細胞を構成しています。

しかし、彼らが創り出したのは、生命の材料にすぎず、今なお、化学物質から生きている細胞を創り出せた人はいません。

いったい、アミノ酸はどのようにして生きている細胞になったのでしょうか。



一部の科学者は、約37億年前に起こった、彗星の重爆撃によって、宇宙から生命の素がもたらされたと考えています。

つまり、生命は地球上の物質や行程のみで完成したわけではないということになります。

それから、もう1つ彗星が地球にもたらしたものは、雨です。
おびただしい量の雨が降りそそぎました。

やがて雨が止んでくると、冷えた地球の表面には、固まった溶岩が大地を造りはじめます。

地面の下に閉じ込められたガスや溶岩が、いたる所で噴火し、それによって地上に放出されたガスが、最初の大気となりました。



このガスには、窒素、メタン、アンモニア、酸素、炭素が含まれていて、これらはユーリー教授とミラーが、生命を生み出すための実験に使われた成分でもあります。

しかし、やはりアミノ酸からどのようにして生きた細胞になったのかは、謎のままです。

一部の研究者は、アミノ酸から単細胞生物への、奇跡とも呼べるこの飛躍的変化は、海の中で起きたと考えています。

単細胞のバクテリアの1つである「シアノバクテリア」(藍藻)。
突然変異から進化したと思われる微生物であるシアノバクテリアは、酸素発生型光合成を行った地球最初の生物だと考えられています。

シアノバクテリアは、日光を活用するために、海面近くで暮らしました。
この光合成によって、大気は変わっていきました。
空気中に酸素が蓄積されていったのです。


シアノバクテリアが堆積してできあがったのが「ストロマトライト」

高さ50cmくらいの大きさのストロマトライトには、数十億個のシアノバクテリアが含まれているそうです。

ストロマトライトによって放出された酸素は、数多(あまた)もの生物、そして人類を誕生させ、遥か上空ではオゾン層となり、私達生命を強い紫外線から守ってくれています。



今日は生命の始まりについて思いを馳せてみました。


お読みいただきありがとうございました。

2020年5月11日月曜日

チェコのモルダバイト

Bescedmice,South Bohemia,Czech


テクタイトに分類され、チェコのモラビア地方からボヘミア地方で産出される天然ガラス。

深い緑色が美しく、人気もあるため偽物も多いそうだ。

そしてこの画像のモルダバイトに限っては個人的な物語があるのです。



名前:モルダバイト、モルダウ石
英名:Moldavite

組成:SiO2

モース硬度:5-6

晶系:非晶質

分類:珪酸塩鉱物




実はモルダバイトは、僕が石の沼に落ちるきっかけとなった、始まりの石なんです。

今日は、そうなるに至ったいきさつを、お話させていただこうと思います。



いまから一年半前、2018年12月のある日

高校3年生だった僕は、母へのクリスマスプレゼントを探して、学校帰り、通学路ではない駅へと向かっていました。

お財布の中には千円札が1枚…
「これで何かいいもの買えないかな…」

当時の僕は、受験前でアルバイトもしておらず、限られたお小遣いでやり繰りをしていました。



うちには、ハッピーという名前の愛犬がいました。
母の溺愛ぶりといったら、自分の持てる時間とエネルギーのすべてをハッピーに注いでしまうほどでした。

雨の日も、雪の日も、嵐の日も、毎日朝夕散歩をし、どこへ行くにもハッピーを連れて行きました。

ハッピーも母が大好きで、母がすべて。
家のなかでも、片時も母のそばを離れませんでした。


そんなハッピーも、老犬といわれる年齢になっていました。

ハッピーが歳を重ねるごとに、母の中で不安と悲しみが大きくふくらんでいきました。

「ハッピーがこの世からいなくなってしまったら、私はとても生きていけない…」

いずれ来るハッピーとの別れを思い、心を痛めている母を少しでも元気づけたい。
そんな気持ちでプレゼントを探していました。


店内に入り、一階から順に様々なお店を見て回っていると、色とりどりの石たちが、所狭しと並んでいる光景に目が留まりました。

そう、母は以前から石が好きでした。

でも───
「石って高いんだろうなぁ…」

そんなことを思いながら、1つ1つ見てみると、

「思っていたより安い!これなら買えるかも」

僕に気づいたお店の方が、声をかけてくれました。
何を選んでいいのか分からない様子を察してくれたのか、お店の隅から隅まで石について説明してくれました。

「あの…できれば、エネルギーの強い石が良いんですけど…」

今では、エネルギーのことなんて考えたりしませんが、この時は本気で、
「ハッピーがあの世に行っても、母と繋がっていられるような、エネルギーの強いものを!」
と藁にもすがる思いでした。

僕がそう言うと、お店の方は色々考えてから、2種類の石を紹介してくれました。

その1つがモルダバイトでした。


たくさんがお話を聞いて、最終的に僕が選んだのはモルダバイト。

僕の当時の所持金でモルダバイトが買えるなんて、今考えてみるとびっくりです。


そして、クリスマス・イブ───

僕は内心ドキドキしながら、あのモルダバイトが入った小さな袋を母へと手渡しました。
母はいったいどんな反応をするだろう。
僕は、クリスマス前だというのに、わずかなお金しかなかったことを悔やんでいました。
「こんな小さな、ただの石ころ」
なんて思って、がっかりしてしまわないだろうか…

ところが───

中を見た時の母の驚きように、僕の方が驚いてしまいました。




「えー!?なんでモルダバイトー!?
なんであなたがモルダバイトなのー!?」

なんでも、母が欲しい石で、唯一持っていなかったのがモルダバイトだったとのこと。

そのことを知らないどころか、そこまで石に興味もなかった僕が、それを買ってきたということ。

さらに僕の所持金では、とてもモルダバイトは買えないはずだということ。

そんなことから、母は僕もびっくりするほどびっくりしたのでした。

「プレゼントは値段ではなく、気持ち」
この言葉の真意が身に沁みた瞬間でした。


奇しくも、この日、12月24日は愛犬ハッピーの誕生日。

ハッピーが少しでも長生きできますように…

そして母に、悲しみを乗り越えるための力を与えてください───



それから7ヶ月がたったある日、ハッピーは静かに天国へと旅立ちました。


今思えば、なぜあの日、なんとなくその駅に向かい、そのお店に入ったのか…

そして、そこで石を見つけ、お店の方がモルダバイトを勧めてくれたのか…


「とても生きていけない」と言っていた母は、今もちゃんと元気に生きていて、僕が贈ったモルダバイトをお守りのように大切にしてくれています。


こんな小さな石のかけら一つで、こんなにも喜んでもらえるなんて!

これが僕のすべての始まり


お読みくださり、ありがとうございました。

2020年5月10日日曜日

ブラジルのクンツァイト

ブラジル


色によって、「ヒデナイト」や「クンツァイト」と呼ばれ、宝石としても人気の鉱物。

輝石の一つで、以前書いたエジリン輝石と同じグループとなります。

前に書いたエジリン輝石の記事↓



名前:クンツァイト
英名:Kunzite

組成:LiAlSi2O6

モース硬度:6.5-7

晶系:単斜晶系

分類:珪酸塩鉱物

(mindatより)




高さ約2cmで、2019年の9月あたりに横浜で開催されたミネラルショーで手に入れたものです。

ほぼ無色なのでリシア輝石、またはスポジュメンと呼ぶか悩みましたが、ラベルに従い、今回は「クンツァイト」として紹介しますね。


冒頭で書いたとおり、クンツァイトは輝石というグループのリシア輝石と呼ばれるもので、輝石のなかで最も硬度が高いものです。



リシア輝石は、リチウムを豊富に含むため、リチウム電池、またホウロウやガラスを作るための融剤として利用されます。

不透明な、宝石にはならないリシア輝石も多い中、宝石となる高品質のもので、緑色系を「ヒデナイト」、ピンク色系を「クンツァイト」と呼びます。

つまり鉱物名ではなく、宝石名ということですね。

劈開があって壊れやすく、太陽光にさらされると色が褪せてしまうこともあります。

これも産地により違いがあるのですが、



ブラジル産は自然光に長く当てると色が薄くなると言われています。

画像のものはブラジル産なので、退色してしまった後ってことなんですかね笑

しかし、アフガニスタン産や、アメリカ、サンディエゴのオーシャンビュー鉱山で近年産出されたクンツァイトは、自然光を浴びると、ライラック色(藤紫色)からピンク色に変化し、その後安定するそうです。

他に、オーシャンビュー鉱山のビッグカフナポケット地域で2010年に産出したクンツァイトは、2日ほど太陽光にさらし続けたものの、全く退色しなかったとのことです。



板状の結晶に成長し、表面にはよく条線が見られます。

いやほんとつやつやしてて表面の条線がより際立ってます!

質感がトルマリンに近いような気もしますね。


多色性があるのもクンツァイトの魅力の一つですが、自分のはどこから見ても無色でした笑笑


マンガンの含有量が多いほどピンクが濃くなりますが、流通している色の濃いものの多くは、照射処理、加熱処理をして色を濃くしたもです。



自分が特に気に入ってるポイントは、てっぺんがトゲトゲしているところなんですが、「なぜトゲトゲしているのが良かったの?」と聞かれても、「良かったから!」という感じなんですが笑

でも、何か選ぶときの理由は、「ここがこうでああで」という選び方も楽しいですが、「良かったから!」「なんか好き」という選び方もありだと思うのですよ笑

あと、自分としては、一見自然の作った産物っていう見た目なのに、その中に「人工的に作ったのか」と思える幾何学的なものが見つかると結構嬉しいですね!



クンツァイトといえばクンツ博士。

少年時代から鉱物マニアであったジョージ・フレデリック・クンツは、10代の頃には、既に4千点以上の鉱物標本を集めていました。

書物による独学と、直接現地へ足を運んでの調査、採集、研究を続け、世界で最も著名な鉱物学者、宝石学者となりました。

現代でもクンツ博士のような方々がたくさんいらっしゃるので、これからが楽しみですね!


1876年、クンツ博士がグリーントルマリンをティファニー社に売り込んだことがきっかけで、グリーントルマリンは脚光を浴びるようになったと言われています。

これが、クンツ博士とティファニー創設者、チャールズ・ルイス・ティファニーとの出会いでした。
クンツ博士はティファニー社に迎え入れられます。



1902年、ティファニーの主席宝石鑑定士だったクンツ博士のもとに、カリフォルニア州サンディエゴで採掘された、ライラックピンクのリシア輝石が届けられます。

それは美しい宝石へと磨かれ、翌年、クンツ博士を記念して「クンツァイト」と名付けられました。

1907年にはティファニーの副社長に就任、その生涯を宝石の探求に捧げました。


メイン州の「トルマリン」をはじめ、モンタナ州では「モンタナサファイア」、アリゾナ州では「ガーネット」、ミシシッピー州では「天然真珠」と、貴重な宝石の発見に貢献しました。

今日、こうして様々な石たちを楽しめるのは、クンツ博士のみならず、多くの方々の飽くなき探求や情熱のおかげだと思うと、手元にある石たちがより一層大切に思えてきますね!

お読みいただきありがとうございました。