Acasta River,Northwest Territories,Canada
一見なんの変哲も無いこの石。
しかし地球の歴史のなかでも、かなりターニングポイントになるため、興味を惹かないわけがありません笑
地味でも大切な石の1つです。
分類は、
「岩石」の「変成岩」の「片麻岩」の「花崗片麻岩」
というものになります。
(mindatより)
横幅約3cmで、クリスタルワールドさんでの購入品です。
岩とはいうものの、この標本の中だけでも表情がとても豊かなもので
この面の他に
黒みが強い面や、
ジューシーなクリーム色が出てる面など、とてもバラエティに富んでいるアカスタ片麻岩です。
おそらくではあるのですが、
この氷の粒みたいな透明のものが石英で、
黒っぽいのが黒雲母で、
表面を石英らしきものが覆ってますが、クリーム色のものが長石ではないかと「個人的」に思ってます笑
アカスタ片麻岩はとても古い岩石として知られていますが、鉱物について知っていくためにはとても興味深いポイントですよね!
鉱物はどのようにしてできたのでしょうか。
それを知るために、地球の起源までさかのぼってみたいと思います。
約45億年前、太陽のまわりには小さな惑星がたくさん存在していました。
この小さな惑星は「微惑星」と呼ばれています。
微惑星が衝突して集積することで地球が誕生しました。
地球の内部は、中心に「核」があり、中間には「マントル」、外側には「地殻」があります。
数億年という長い時をかけ、この3つの層からなる基本構造ができあがりました。
核は内核と外核に分かれていて、内核は個体、外核は液体、主に鉄やニッケルでできています。
マントルは地球の約8割を占めていて、上部と下部の2つの層に分かれています。
上部はかんらん石、下部はマグネシウムや鉄の酸化物などでできています。
私達が立っている大地である地殻は、平均で約40kmくらいの厚さがあります。
この地殻を構成している岩石は「火成岩」「堆積岩」「変成岩」の3つに分類されます。
火成岩はマグマが冷えて固まったもの。
堆積岩は岩石が風化や侵食をされて細かくなり、水や風に運ばれ堆積して固まったもの。
変成岩は岩石が高温や高圧によって鉱物組成、組織が変化してできたもの。
実は岩石は一度できあがって終わりではありません。
長い時間をかけながら、地表と地下を循環しているのです。
たとえば、地表にある火山岩が風化、侵食で粒になり、川や海に運ばれて堆積岩になったり、今度はこの堆積岩が高温、高圧を受けて変成岩になったり、また地下深く埋没してマグマに溶けると、そのマグマが地表に噴出して火成岩になったりします。
火成岩、堆積岩、変成岩は色々なパターンのサイクルで循環し、ゆっくりではありますが、常にその姿形を変えているのです。
今回ご紹介しているアカスタ片麻岩は、変成岩に分類されます。
岩石が高温や高圧の影響を受けて組成や組織が変化する作用のことを「変成作用」といいますが、アカスタ片麻岩は花崗岩が高圧によって変成されたものです。
「アカスタ」とはカナダの北西部、「アカスタ地方」のアカスタです。
アカスタ片麻岩は約39億6200万年前のものであると測定されていて、地球では最も古い岩石と言われています。
前回の化石(モロッコの三葉虫化石(Calymene))では生命の起源までさかのぼりましたが、今回は地球の起源にまでさかのぼってみました。
悠久の時を生きる地球、それを構成する岩石と、大地に生きる多種多様な命。
壮大なスケールを感じますね。
お読みいただきありがとうございました。